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1年生の読み聞かせに
エルフは ぞうの しょうぼうし2
エルフ、がっこうへいくハルメン・ファン・ストラーテン/絵と文
野坂悦子/訳29×24cm 25P 定価1,650円(本体1,500円)
春に入学した新入生たちも
学校に慣れたころではないでしょうか。
小学校では1年生たちが、数週間前から始まった
読み聞かせの時間を楽しみにしてくれていて、
始まる前に机を後ろに下げて
待っていてくれるようになりました。
そんな1年生たちに、こんな絵本はいかがでしょうか?子象のエルフは10頭の大人の象たちと一緒に消防署で暮らしています。
他の象は大きくて立派です。
火事が起きたときはただちに出動します。
エルフは間に合わないことが多く、失敗ばかり。
『1巻、エルフはぞうのしょうぼうし』では、まだ見習いなのがわかります。2巻ではちいさなエルフが小学校に通うことになりました。
学校へはみんなが消防車で送ってくれます。
もしかしたらエルフ以外の象は、学校に行ったことがないのでしょうか。
勘違いをしていて、エルフが小学校で
消防士になるための勉強をしていると思っています。ほかの2冊と違い、2巻では火事のシーンがなく、
消防署のお話を期待している方には
がっかりさせてしまうかもしれません。
今回は、学校に通う象のエルフのお話です。最初の日はハンカチおとしをしたり、紙を切ったり、貼ったり。
象の小学校でも、スタートはそんなものでしょう。
次の日からも、読み方や書き方、数のかぞえ方を習うばかりで、
火事のけし方の勉強をしてきません。
“あたりまえだよ~”とちいさな読者は声を出すかもしれません。
けれども思ったより事態は深刻なようで、
怒った10頭は、学校をやめさせようとします。
学校をやめたくないエルフが考えたのは……?……そして、象の消防士たちの心にも変化がおこりました。
学校に行くのが楽しくなってしまったのです。
大人の象が10頭もいるのですから、楽しくなった理由は
たくさんあることでしょう。
シリーズで唯一登場する大人(象)の女性、
ハネロール先生に会うのも楽しみなのでしょう。
目の前の小学生になったばかりの子たちも、それぞれが
学校に行く楽しみを見つけられるとよいのですが。著者のハルメン・ファン・ストラーテンさんは消防車が大好きとのこと。
エルフ愛用の三輪車(3巻ではちょっぴり成長し、自転車になります)や、
消防車はレトロな形をしていて、とてもかっこよいです。
大勢の象が乗り込むので頑丈そうです。