セーラー出版は2013年7月1日をもちまして、社名を「らんか社」に変更しました。

  • 敬老の日に

    わたしのおじいちゃんはチャンピオン

    カール・ノラック/文
    イングリッド・ゴドン/絵
    いずみちほこ/訳

    31×22cm 25P
    申し訳ございませんが、すでに絶版となっております


    絵本のおじいちゃんは、孫娘との時間を楽しんでいます。
    仕事や、家事、ほかの兄弟の用事などがあるせいか、両親は登場しません。
    登場人物はふたりだけ。1対1で、ゆっくりと時間が流れます。
    やりたいことを、とことん一緒にやる。
    少しあぶないことでも、挑戦してみる。
    どこか遠くへ旅行したとか、テーマパークへいったとかではなくて、
    ふだんの生活のなかの、まぶしい瞬間をとらえた
    アルバムのような絵本です。

    今年の夏も、たくさんのチャンピオンとその弟子をみかけました。

    市営プールで、背伸びしてやっと届くような深い場所で、
    小さな手を握ってバタ足の特訓をする。

    セミの鳴く昼下がり。 木陰を選びながら、小さな歩幅にあわせてゆっくりとあるく。

    とれかかった小さな自転車の籠。公園で困っていたら、
    家から工具を持ってきて、あっという間に取り付けてくれる。

    コンビニのベンチでアイスクリームを並んで食べる。
    (夕方→夕食前→みんなに内緒)。

    野菜や、植木の水やり。服にまで水やり。

    母親やおばあちゃんなら“だめよ〜”“早く〜”といいたくなることも
    一緒に楽しめるのは、やはりチャンピオンなのだなと思います。
    長い夏休み、おつかれさまでした。
    ちょっぴり照れくさいですが、
    敬老の日には、『おじいちゃんはチャンピオン』を一緒に開いて
    楽しんでいただけると嬉しいです。

    先日、信号を渡るとき、すれ違いざまに
    『○○ちゃんのおじいちゃんだ』
    と、子どもに教えられ、○○ちゃんの自転車の籠を
    直した方だと思い出しました。
    お孫さんと一緒ではなかったので、自分では気づかなかったのですが、
    はにかみながらも手を振ってくれました。
    すれ違う前までは、知らない人だったのに、
    あっという間に○○ちゃんのおじいちゃんとなり、
    後姿はやはり“チャンピオン”の貫録があるのでした。

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