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敬老の日に
わたしのおじいちゃんはチャンピオン
カール・ノラック/文
イングリッド・ゴドン/絵
いずみちほこ/訳31×22cm 25P
申し訳ございませんが、すでに絶版となっております
絵本のおじいちゃんは、孫娘との時間を楽しんでいます。
仕事や、家事、ほかの兄弟の用事などがあるせいか、両親は登場しません。
登場人物はふたりだけ。1対1で、ゆっくりと時間が流れます。
やりたいことを、とことん一緒にやる。
少しあぶないことでも、挑戦してみる。
どこか遠くへ旅行したとか、テーマパークへいったとかではなくて、
ふだんの生活のなかの、まぶしい瞬間をとらえた
アルバムのような絵本です。今年の夏も、たくさんのチャンピオンとその弟子をみかけました。
市営プールで、背伸びしてやっと届くような深い場所で、
小さな手を握ってバタ足の特訓をする。セミの鳴く昼下がり。 木陰を選びながら、小さな歩幅にあわせてゆっくりとあるく。
とれかかった小さな自転車の籠。公園で困っていたら、
家から工具を持ってきて、あっという間に取り付けてくれる。コンビニのベンチでアイスクリームを並んで食べる。
(夕方→夕食前→みんなに内緒)。野菜や、植木の水やり。服にまで水やり。
母親やおばあちゃんなら“だめよ〜”“早く〜”といいたくなることも
一緒に楽しめるのは、やはりチャンピオンなのだなと思います。
長い夏休み、おつかれさまでした。
ちょっぴり照れくさいですが、
敬老の日には、『おじいちゃんはチャンピオン』を一緒に開いて
楽しんでいただけると嬉しいです。先日、信号を渡るとき、すれ違いざまに
『○○ちゃんのおじいちゃんだ』
と、子どもに教えられ、○○ちゃんの自転車の籠を
直した方だと思い出しました。
お孫さんと一緒ではなかったので、自分では気づかなかったのですが、
はにかみながらも手を振ってくれました。
すれ違う前までは、知らない人だったのに、
あっという間に○○ちゃんのおじいちゃんとなり、
後姿はやはり“チャンピオン”の貫録があるのでした。