セーラー出版は2013年7月1日をもちまして、社名を「らんか社」に変更しました。

  • 自分の中にいるおともだち

    しゃっくりがいこつ

    マージェリー・カイラー/作
    S.Dシンドラー/絵
    黒宮純子/訳

    26×26cm 32P 定価1,620円(本体1,500円)

     

    表紙に描かれているように、
    しゃっくりがとまらずに困っている骸骨が主人公です。
    骸骨が目覚めるのは、あたりが暗くなってから。
    夜型の生活をしています。

    シャワーを浴びたり、歯磨きをしたりする暮らしは私たちと似ています。
    ふだんどおりの生活をしようと頑張るのですが、
    しゃっくりがとまりません。
    中が空洞であるために起こる困難が
    細かく、具体的に描かれていて、
    真面目に取り組むほど
    笑いが止まらなくなります。

    お化けや暗闇を怖くなりはじめると、
    お話や絵本もより深く楽しめるようになります。
    赤ちゃんが成長して、絵本の表紙を怖いと思える頃になったら、
    この絵本を楽しめるようになるのかもしれません。

    骸骨はお化け屋敷の幽霊ではなく、
    理科室の人体模型でもない。
    みんなが寝静まってから起きてくるのではなく、
    山の向こうに住んでいるのではなく、
    いつも一緒。自分の中にもいる。
    骸骨と普段から付き合っていて、身近な存在なのだと
    気付くのはさらに先のこと。
    絵本を読んで、自分の中の骸骨は苦笑いしているのかも。

    寒いときに、思わず歯ががちがち鳴ってしまったり、
    鍵盤を鳴らす時に、指の骨格を意識して、広げて弾いてみたり(水かき?があってわかりにくいですが)、
    無意識に首をまわして音が出てきたとき……
    そんなときにふと自分の中の骨の存在を思い出します。
    ハロウィーンの時に骸骨の仮装をするときに着るシャツの模様ではなくて、
    もっと立体的な骨格がいつもそばにいます。
    骸骨はもっと几帳面な性格なのかもしれない。
    絵本の主人公のように。
    だからこそ、寒い季節は身体をほぐしてから動きましょう。
    骸骨と仲良くしたいと思います。

    前のコラム 次のコラム